NO GOOD PEOPLES

仕事が出来ない

山下麻衣+小林直人 −もし太陽に名前がなかったら−

「千葉県立美術館」大量のマスクで作成されたスクリーンにCOVID-19の塩基配列を淡々と記載していく作品。海岸の砂から一本のスプーンを作る作品。瀬戸内の夕焼けを背景に自転車を漕ぎつづける作品。すべての作品が良かった。アイディアを温め続ける何冊もの手帳を大切な人のポートレート作品を描くように丁寧に書いている何枚ものペインティングの美しさ。世界のこの一瞬が奇跡の上にギリギリのところで成り立っていること。しかもそのギリギリがギリギリのなかで安定してしまっていること。その安定のなかで我々は自分たちでまた別のギリギリの状況を作り出して怯えていること。私が受け取ったメッセージはそのようなものだった。どうしても平面作品注目してしまうけれど、映像作品、インスタレーションの迫力やっぱりすごい。感動しました。

もちろん作品も良かっただけれど千葉県立美術館自体がとんでもなく良かった。ロッカクアヤコがコレクションされていたりして、懐の深さを感じた。THE昭和の公共建築といった力強い素材の使い方と、贅沢な外構の使い方になんともしんみりとしてしまった。こういった場所アートを見るということが原風景になるのはすごく良い事だろ。ららぽーとに行く前に近所の公共の美術館や博物館にまずは行こうよ。

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