NO GOOD PEOPLES

仕事が出来ない

神に近い

立川駅の南口には未だにパチンコ屋が複数店もあって、休日には朝からペデストリアンデッキに長蛇の列が出来ている。私はパチンコやスロットを一度もしたことがないので、パチンコ屋がある事で特にメリットはないけれど、特にデメリットがあるわけでもない。パチンコ屋の軒先で営業をしている果物屋があって、少し遅い時間に行くと格安でくだものが買えたりする。今日はいちごを2パック800円で買った。私は果物の値段は高いなと思ってしまう。生活に必要不可欠なものでもないし、食べなくても全く問題ない。お腹がいっぱいになるわけでもないし、健康になるわけでもない。果物を買ってもそれだけでは済まなくて、いつも通りの食事も買わなくてはいけない。おかずにもならないし、ただただ追加の出費という存在。それが私にとっての果物なのだ。しかし同居人はいつも果物を買う。全く物怖じせずに堂々と果物を選びお金を払う。冷暗所で保存しておいて、食べる3時間前に冷蔵庫に入れて冷やし、夕食後に出してくれる。彼女は年収が多分200万円くらいでタイトな生活をしているのだけれど、果物や和菓子をよく買ってよく食べている。豊かだと思う。私が不必要だなと思っているものに、彼女はお金を払い美味しそうに食べている。その姿を見るとこういう生き方でいいのだなと思う。美味しいものを食べて楽しそうに生きる。私ひとりで生きていては、こんなに沢山の果物や野菜を食べる生活を出来なかった。大袈裟に言えば私の世界を拡張する能力をもつ彼女は、神に近い。