NO GOOD PEOPLES

仕事が出来ない

鳳凰三山に登った

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金曜日夜叉人峠の駐車場で車中泊。駐車場までの道路に、 狐や狸がいて、自然が近いなと思う。夜は彼らの時間で、 森は彼らの場所である。そういう当たり前の事を考えていた。 ワーゲンのゴルフの中に3人で眠るしかなくて、 後部座席と荷物置き場をフルフラットにして、 唯一の女性をそこに寝させる。 我々メンズ2人は運転席と助手席で適当に眠ることになる。 車中泊が苦手なんだけれど、今回もいくつもの態勢を試した。 その結果、身体を極限まで小さく丸めて、 身体を全て座席の上でまとめて眠る。コアラである。翌朝私は、 いかにコアラが正しいかを説明しようと運転席で眠っていた友人に どのような体制で寝たいたのかと尋ねると、彼は「コアラ」 と言った。私たちの心の中で、 くるっと丸まって眠るのはコアラという認識があるのだろう。

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土曜日5時登山開始。あたりは既に明るい。 夜叉人峠の男性トイレの個室から返ってきた友人が、 トイレの壁に日本100名山裏ビデオ20000円と書かれていた と言っていた。下山の際に見たらなかったので嘘だと思う。 南アルプスの樹林帯は霧がかっていて、気持ちが良い。 道も歩きやすく、植生も豊。 直前に作ったスモアを行動中のおやつで食べた。 私はこのスモアをやさしさハンバーガーと呼んでいる。 作り方は簡単で、 ビスケットの上にマシュマロとチョコを乗せてレンジで10~ 20秒温める。マシュマロが少し柔らかくなった程度で、 レンジから出して、ビスケットで挟んで冷蔵庫で挟んで完成。 手がべたべたにならずにハイカロリーのおいしいおやつが食べれる 。途中でものすごい速さで登るULおにいさんがいて、 そこまでいくのですかと尋ねると、 まだどこまで行くのか決めていないとのことだった。 クールすぎる。

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南御室小屋に到着してテントを張って、ごはんを食べる。 小屋番のお兄さんが言っていた情報
・この時期(7月後半) は日の出から2時間までしか山頂は晴れていない。 それ以降はガスの中。
・実際に午前8時過ぎには山頂はガスに包まれていた。
・特に午後は雷雲が発生することが多いので、 山頂付近での移動は午前中までとすること。 雷雲が発生した場合はハイマツよりも低い位置で匍匐前進をするよ うに。
・植物は鹿による食害で自然の中で残っているものは少ない。 各山小屋付近には植物を保護するための柵があって、 その中には貴重な植物を見る事が出来る。 他にもたくさんあったきがしたけれど忘れてしまった。
南御室小屋は水が豊富で南アルプスの天然水が延々と流れている。 冷たくておいしい水。水が豊富にあるという事は本当に豊かだ。 昼食に冷凍チャーハン600gを3人で食べる。 対してカロリー消費していないよねとか思うけれど、 カロリーを消費するために山に登っているわけではないから別にい いのだ。遊びにきているのだから太って帰ったっていい。 むしろ遊んだ上に太れるなんて超お得だ。 小屋番のお兄さんが山頂には朝いったほうがいいというので、 テント場でダラダラと過ごすことにする。 友人はテントに戻って寝てしまって、 私たちはビールやチャイを飲みながら、 テント場が霧に包まれるのを眺めていた。 2時頃に友人が起きてきたので、周辺を散歩する。 水とカメラをポケットに入れて、他は何も持たない。 何ももたないで散歩をするのがウルトラライト。 森をゆっくりと歩きながらディテールを眺めることが出来るのはとてもよい。 ギンリュウソウや、森の中の苔でできたこぶのようなもの。 これっていったいなんなんだろう。好きすぎる。 テントに戻りお酒を飲みながら、森と空を見ながら過ごす。 4時頃に夜ご飯の用意をして、6時には入眠。おやすみなさい。 深夜に鹿でキューキューないていて、 君たちの時間だねと思いながらまた眠る。

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3時に起きて鳳凰三山をめぐるための準備をする。 コーヒーとチョコレートバーを食べて、たばこを吸う。 寒いと思ったけれどそこまで寒くない。 他のテントサイトのハイカーも起きて準備をしている。 友人に聞いたら回りのテントの話し声が大きかったそうで、 耳栓が必要だよと言っていた。 今度アルプスに来るときは耳栓をもってこようと思います。まだ暗い森の中をヘッドライトの灯りを頼りに歩く。空が明るくなっていく。それで方角がわかる。東が分かって私たちは北へ向かっている事を知る。薬師岳の山頂で日の出を見る。昇ってしまったらもうジャスタ太陽なのに、未完成な状態であれば何かありがたいもののように思える。快晴で涼しくて気持ちが良い。当たり前だけど日差しはまだ強くない。小さな象に見える岩があって良かった。モルゲンを見ながら歩く。稜線を歩いて観音岳へ。大渋滞で人が沢山。山頂には興味がないし、人もたくさんいるので地蔵岳に向かう。途中で初日にあったお姉様たちに再会する。稜線を歩いている人はみんな幸せそうな顔をしている。オールドスクール山家、ULハイカー、ランナー、クラシックお姉さん。見た目も装備も速さも全然違うけれどみんな幸せそうな顔をして、景色を眺めている。誰もこわい顔をしていないし、悲しい顔もしていない。景色も勿論良いけれど幸福に満ちた空間は本当によい。地蔵岳にはお地蔵さんが沢山いてキュート。勝手に持ってきて良いらしく絶対に担いできたいと思った。

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オベリスクに登っている人を眺めながら朝ごはんのあんぱんを食べて煙草を吸った。決して無理はしないように。と思いながら珈琲を飲んだ。とんでもない下り道で鳳凰小山まで下山して、再び観音岳に向かう。あとは来た道を帰るだけ。ゆっくりと景色を楽しみながら歩く。

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南御室小屋でテントをパッキングして、昼食を食べる。小屋のホットドッグが本当に美味しい。お腹を空かせていてもお腹いっぱいになるボリューム。アルプスでは小屋の食事を積極的に利用していくべきだと実感。去年食べた燕山荘のカツカレーもおいしかったなと思いだす。小屋にお礼を言って下山開始。今回唯一のガールがパランテのスカートを履いていたので、途中で履かせてもらう。 スカート本当にすごい。開放感がマジでヤバい。履いたらわかるけれど腰に短い布を巻いているだけ。こんなに画期的なシステムなのかと驚愕した。ガールのparanteはスナップボタンカスタムでパンツ形式にもなるようになっているから、困ったときはショー ツモードにすればよい。ジェンダーの線引きを無くした世界が素晴らしいとされるのであれば、目指すべき新世界のユニフォームはきっとこういう形状をしている。途中で鹿がご飯を食べていた。鹿は私たちの事を見向きもせずに、逃げもせずにごはんをもりもりと食べていた。ランナーは道のすぐわきにいる鹿にも気付かずにすぐ横を走り抜けていった。早く走れば早く終るけれど、 鹿には気づかない。ネイティブアメリカンのことわざでありそう。 ゆっくり歩いて鹿を眺めるのも、早く走って前だけを見ているのも 、ランニングパンツを履いて厚底のスニーカーで走るのも、スカートを履いてソールの薄いくつでゆっくりと歩くのも、その人がそれ を好きならそれでいいね。無事夜叉神峠に下山をして、 車に乗込み近くの温泉に向かう。ぬるい温泉に1時間近く浸かって疲れた体を癒していく。温泉のベランダの喫煙所で外に広がる自然を見ながら煙草を吸っているときに、ああ私はまだちゃんとダメな人間でいることができているという実感があって安心をした。社会で矯正されて少しはまともになったけれど、まだちゃんとダメだ。 それが嬉しかった。帰りの高速道路は大渋滞で、家についたのは10時を少し回ったところだったけれど、大満足の週末だった。 私はまた行きたいなと思いました。