ULだSULだFKTだと皆は言うけれど、可能な限りの短い距離を可能な限り時間を掛けてゆっくり歩くハイキングだって素晴らしい。何より安全だし、世界への解像度をより高めることが出来る。short distance hikingとかを提唱しても良いけれど最近はそれよりこっちだろと思うものがある。それがUKH（ウルトラカワイイハイキング）。ベースウェイトがとか、一度街に出て補給をするとかそのような縛りは全く無いこのUKH。大切なのは軽くなったそのザックにカワイイを一緒に連れていっちゃおというような心の余裕が大切ですよという事だ。ぬいぐるみをひとつ持っていくだけで相当カワイイけれど、カワイイはモノじゃない。己の中にある捉えのようものだ。カワイイ服を着ていくのもUKH的にはポイント高いし、途中で疲れて帰っちゃうのもカワイイからポイントが高い。登山口まで来たけれどリフトがあるなら乗っちゃおうなんていうのもかなりカワイイ。バスや電車、果てはタクシーまで多様な交通機関を駆使して移動できるのはスマートだし何よりその心意気がカワイイ。みんなでしようよウルトラカワイイハイキング。
僕が登山を始めた頃既に登山道具はとても軽くなっていて、最初から所謂ULハイキングの装備だった。行くお店はモンベル、ハイカーズデポ、ムーンライトギア、最初からそんな感じだった。今からハイキングを始める人だって同じだと思う。安全マージンを確保したとしてもULのザックで重量的には収まると思う。つまりおれたちはULネイティヴハイカーズという事で、特段努力もせずに常にULが最も身近にある世代なのだ。最初から既に軽いこのザックを切り詰めてより軽くするのが楽しい人もいるけれど、私は既に軽いそのザックに余計なカワイイものをパッキングするULの恩恵を受けようよと言いたいのだ。軽いのが自由なら、カワイイは正義なのだ。
この間ホームマウンテン南高尾で散歩をした。高尾駅から初沢コースで大垂水までいって、高尾山は混んでてマジで気分が萎えるから来た道を戻るピストンハイク。20kmちょいくらいで大きな高低差もない理想のトレイル。こういうのが一番好きだ。お散歩の延長線にあって欲しい。強めの思想とか生命活動を脅かすようなリスクとか、そういう次元のものとはちょっと距離を置いていきたい。そのときに持っていったのがぬいぐるみ。本当にめちゃくちゃ可愛い熊のぬいぐるみなんだけど、ザックの後ろのメッシュに入れておく。誰かと歩くときは僕が前を歩けば後ろの人は可愛いぬいぐるみに癒されるし、今まで写真を撮らなかったようなところでさえなんとなくぬいぐるみを置いて写真を撮ってしまう。はっきりいって、マジで分かった。ディズニーシーでダフィーの写真を撮っているお姉さん、お兄さん方の気持ちがマジで完全に分かった。めちゃくちゃ良いのだ。可愛いぬいぐるみをよりカワイイ写真にパッケージする感じが凄い楽しい。ぬいぐるみはこっちを信頼してくれているのか、完全にこっとの指示通りのポージングをしてくれるしマジで良い。ありがたい〜と言いながら写真を撮る私を、おばあちゃんハイカーがいいわねえとか言って微笑んでくれたりして、こんな事今まであったか？無いだろ。カワイイが繋いだ人と人。
休憩中のベンチに座ってコーヒーを飲んだり煙草を吸ったりしながらも、ぬいぐるみをふにふに触ったりしてしまう。不思議と疲れも取れる気がするし、楽しいハイキングにより楽しいユニヴァースが発生したという感じでナイスなのだ。テント泊とかだったらもっと効果があるはずで、いつも一緒に寝ているぬいぐるみを山に連れ出して、しかも夜も一緒に寝れるとしたら、どんなに素晴らしい事だろう。リラックスしてよよく眠れるに違いない。効果が全くなくたって大して重いものでもないのだ。それに何しろ完全にカワイイという事実がある。地球は平面ではなく球体で、ぬいぐるみは可愛くて最高。この世の理。
この間持っていったぬいぐるみは毛足が長くて可愛いんだけれど、頻繁に洗濯できるようにアウトドアマテリアルの生地にダウンを詰めたふわふわぬいぐるみなんか作っても良いかもしれない。ぬいぐるみは自由だからたのしい。簡単み作れるし、カワイイしそんなに重く無い。小さい物で良いから、そういう無駄な物を持っていってより豊かな時間を過ごそうぜっていう活動をしていきたい。そういう政治団体を作って国政に出て、内閣総理大臣になって、日本の英名をJAPANからLOVEに変えたい。なにJAPANって。どう言う意味？マジで勘弁してクレメンス。
