NO GOOD PEOPLES

仕事が出来ない

人間の強さ

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自分が作り出したいもの、やりたいものが世間から強く求められているものではない場合、私ならどうするだろう。自分を信じて戦えるだろうか。世間のニーズを無視して私は自分を最後まで信じきることが出来るのだろうか。絶対に出来ないと思う。自分と世間のいい塩梅の回答を見つけ出して、自分はこういう器用な事が出来るんですよというような言い訳で自分をうまく抑え込むのだと思う。自分の意識の下の次元で。今年も行った武蔵美の文化祭で学生の作品を見て私はそのような事を考えていた。きっと万人受けする作品ではないであろうインスタレーションを展示し、堂々とその横に立っている学生を見て、その強さに打ちのめされた。したい事をしている人間の強さ。ああ私には無かったものだと思いながら学生達の未来が本人たちが納得のいくものであればいいと思う。昔この街に住んでいた時によく行っていた古本屋に寄って本を買い、国分寺で乗換ついでに今日の夕食の材料と和菓子を買って帰路に着く。

最寄駅から自宅まで帰る途中の繁華街で、路上に座り込んで缶ビールを飲みながらスマホで競馬を熱心に観ている高齢の男性の横を通り過ぎた。JRAの近くの安い大衆酒場では大画面に映し出された競馬中継を皆が食い入るように観ながらアルコールを摂取していた。堂々としていて、熱量のある眼差し。学祭でみた彼らと同じ強さを感じた。したい事をしている人間の強さ。どのような花でも咲いていればそれだけで美しい。